往復書簡 3
本企画の演出を担当する田中秀彦と企画プロデューサーの百瀬友秀による往復書簡です。

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田中秀彦
コスチュームアーティスト、演出家
百瀬友秀
演出家

 

田中様

 以前の相内氏を交えた会談時にも話ましたが、僕の中で田中さんは徹底的なリアリストという感じなのですね。「常に手法が目立つ事を避ける努力が必要になると覚悟していますが」という認識はそれ自体を外側から触るように、そして常に一定の距離をとった状態でものを考える姿勢だと思います。今回の安吾についても、取り組むにあたって強引な必然性をねつ造しない(笑)。つまり、極めて現実的に捉えて、不用意に取り込まず、手に触れてから処理する、という感じですね。この姿勢の中から新しい何かが生み出されるのではないかと密かに期待しているわけです。

その上でもう一つ具体的なところを伺いたいのですが、演出プランにあった「和的」な空気ということについて、俳優とはどういった取り組みをしていくのでしょう?そして、そもそも何故「和的に」処理なさろうと思ったのかを伺えますでしょうか?
2009年5月8日 百瀬友秀