往復書簡 2
本企画の演出を担当する田中秀彦と企画プロデューサーの百瀬友秀による往復書簡です。

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田中秀彦
コスチュームアーティスト、演出家
百瀬友秀
演出家

 

百瀬様

 「日本的なものとの独特の距離の取り方の手つき」という表現に、なるほどと思いました。「日本の舞台芸術のいくつかのスタイルの紹介」はもちろん目的ではありません。様式や手法から生まれる現象と、そこで体内に生まれる雰囲気の正体に興味があります。遺伝子=DNAよりも模倣子=MIMEに近い概念でしょうか。(同時に、常に手法が目立つ事を避ける努力が必要になると覚悟していますが。。。) 坂口安吾の作品は、文学たるもので舞台化の必要性は特に感じません。個々人が本を手に取り、「読む」のが最適だと思います。今回、百瀬さんに坂口安吾を提示されたのはひとつのご縁だと思い、極めて単に「宥められて」好きだっただけの坂口安吾作品との接点を探りました(笑)。 和的な「語り部」で(百瀬さんの言う)自分なりの「手つき」を表現する。恐らく目的は「手つき」の方ですらあるのだと思います。

この「手つき」、どう見えました?
こどもの日に
田中秀彦